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【睡眠の正体に迫る!】睡眠を司る遺伝子

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みんさんこんばんわ!

ガガーリンです。 

 

 

この記事は前回の続きです。

これを読んで頂ければ、より分かりやすいと思います。

 

 

www.yofukashi.work

 

 

 

さていきなりですが、ちょっとした豆知識を自慢させてください…

一日にだいたい7時間ほどのまとまった睡眠をとるのは

世界広しといえど”人間だけ”なんです。

 

 

知ってました??

 

 

ちなみにマウスの睡眠時間は1日で合計12時間ほどです。

でも、一度にまとまった睡眠はとりません。

 

90分の睡眠をこまめにとります。

「90分覚醒したら、90分睡眠をとる」

これの繰り返しなんだそうです。

 

 

マウスだけではなく、

ほとんどの生物が睡眠を小分けにして取っています。

 

 

7時間もの深くて長い睡眠は人間の特権なんですって!

なぜなのかはわかりません。

 

 

 

 

さて、前置きが長くなりましたが、

実は睡眠のメカニズムは未だに謎に包まれています。

 

もしも、あなたが睡眠の研究者だったら…

どうやってこの謎を解きますか??

 

 

 

ぼくだったらこうします。

 

 

ステップ① 睡眠に関与しているDNAを特定

ステップ② DNAを操作して、眠気の強いマウスをつくる

ステップ③ 睡眠中のマウスの脳内を観察する

 

 

眠気の強いマウスは、いつも寝ているでしょうから

その脳の働きを観察しやすいですよね。

 

 

それじゃさっそくこのプランで

睡眠のメカニズムを解き明かしに行きましょう!

 

 

 

 

 

 

 

睡眠を司る遺伝子を探せ

睡眠について研究するためには

どんな遺伝子が睡眠に関与しているかを調べる必要があります。

そこで、一日中寝ている”寝坊助”に協力してもらいます。

 

 

寝坊助とは、実験用のマウスです。

よく寝る子を地道に探すしかありません。

 

その数およそ8000匹。

ようやく”寝坊助”が見つかりました。

 

ここでいよいよ

「ステップ① 睡眠に関与する遺伝子を特定せよ!」

 

寝坊助マウスの遺伝子情報を解析すれば、どの遺伝子が睡眠を司っているのかがわかります。

 

最新のテクノロジーはすごいもので、遺伝子情報の解析なんてものは”お手の物”です。

 

 

さて、どうやって”睡眠を司る遺伝子を特定するか”ですが

 

 

健全なマウスと、寝坊助マウスの遺伝子情報を比べます。

 

すると寝坊助マウスの遺伝子の一部に損傷があることが分かりました。

それの遺伝子情報は「SIK3」と名付けられました。

 

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遺伝子が傷ついているために、睡眠をうまく取れません。

 

ほかの遺伝子情報には違いがみられなかったことから、

睡眠を司っているのはこの遺伝子で間違いなさそうです。

 

 

 

「ステップ② Sleepyを作り出せ!」

 

さて、実験はステップ②へ移ります。 

 

さっきのSIK3という遺伝子に意図的に損傷を起こすことができれば、寝坊助マウスを量産することが出来ます。

 

 

その技術が、いまなにかと話題の”ゲノム編集”です。

 

 

最新のテクノロジーはすごいですね。

狙った遺伝子だけを意図的に操作することが出来ます。

 

 

ゲノム編集について詳しいことは長くなるので省略します。

昔書いた記事があるので、興味のある方は読んでみてください。

 

 

www.yofukashi.work

 

 

 

ゲノム編集によって一日の大半を寝て過ごすマウスの量産に成功しました。

これを科学者たちは”Sleepy”と呼んでいます。

 

 

 

よーし、これで実験の準備が整いました!!

 

 

 

睡眠要求の根源を探せ

 

ところで、みなさんは

神経がどうやって情報を伝達しているか知っていますか??

 

 

どうやってもなにも…

そんなの知らないよ!!

 

って思うかもしれませんが、安心してください。

勉強してきました。

 

簡単に説明しますね。

 

 

 

神経の情報伝達の手段のひとつとして

たんぱく質リン酸化という現象があります。

 

たんぱく質がリン酸基と結合する現象のことです。

 

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ようするにこうゆうことです。

 

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わかりやすかったですか??

 

 

さて、たんぱく質がリン酸化することは

スイッチが”ON”になったことを示すようです。

 

コンピューターでいうところの”0”と”1”

”ビットが立つ”と表現すると伝わるかと思います。

 

そしてこのリン酸化したたんぱく質

すぐ隣のたんぱく質をリン酸化させることができます。

 

 

この繰り返しで、遠くのたんぱく質のスイッチを”ON”にします。

 

 

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これが脳から体へと指令が送られる様子です。

 

 

 

 

情報のやりとりはこんなふうに行われていたんですね!

 

 

 

さて、このたんぱく質のリン酸化という現象が

このあとの実験に大きく関わってきます。

 

 

ステップ③ Sleepyの脳内へ迫る

 

さて、実験はステップ③へ…

 

先ほど紹介した”Sleepyマウス”をよーく観察すると

あることが分かりました。

 

 

脳のシナプス周辺のたんぱく質がどんどんリン酸化していくのです。

健全な睡眠をとっているマウスには見られない現象でした。

 

 

脳のシナプスがリン酸化していくことは

情報のやりとりが行われている証拠です。

 

 

同時に、眠気の強さはたんぱく質のリン酸化に比例することを意味しています。

 

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Sleepyを用いた実験によって、たんぱく質がリン酸化することが眠くなる原因である可能性が示唆されました。

 

 

果たしてそのたんぱく質はなんでしょうか…

実はまだそこまでは分かっていません。

 

ただ、リン酸化しているたんぱく質のうちのどれか(もしくは複数)であることは分かりました。

 

可能性のあるたんぱく質を科学者たちは”SNIPPs”とグルーピングしています。

 

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眠くなるのはおそらく、SNIPPsのリン酸化が原因です。

ただし、SNIPPSのリン酸化が、どのようなプロセスで睡眠を要求するのかはわかっていません。

 

 

これからは、SNIPPsの特性について 研究が進んでいくでしょうね。

 

 

さて、話は戻りますが、情報伝達のためにリン酸化されたたんぱく質は普通なら分解されて体外へ廃棄されます。

 

 

しかし、シナプス周辺のたんぱく質(SNIPPs)に関してはどうやら違うようです。

 

睡眠中と覚醒中でその総量に変化が見られません。

もしかしたらなんらかのプロセスで脱リン酸化されている可能性があります。

 

 

もしかしたら脱リン酸化が睡眠から覚醒へ至る要因なのかもしれません。

 

詳しいことは依然、分かっていませんが

睡眠に関してこれから多くのことが分かってくると思います。

 

これからの研究に注目するとしましょう!! 

 

 

 

 

終わりに

この記事を書くにあたって7割のモチベーションが

鏡音リンちゃんのイラストを描くこと」でした。

 

イラスト歴半年なので、へたくそなのはご容赦ください…

 

 

イラスト、楽しかったです。

 

 

さて、ぼくは”科学”はある程度、基礎知識があるのですが、

”化学”は全くわかりません。

 

記事を書くにあたって非常に苦労しました…

 

でも、睡眠というのは謎多きテーマで、書いていてわくわくしました。

 

この研究についても続報があれば紹介しようと思います。

 

今回はこの辺で!!

 

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