宵っ張りラジオステーション

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【眠れない夜のお供に】現代物理学の論理的帰結

 

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みなさんこんばんわ!!

 

宵っ張りラジオステーション

メインパーソナリティーガガーリンです!

 

 

4月10日は科学史に残るビッグニュースがありましたね!!

 

EHTプロジェクトがブラックホールの撮影に史上初めて成功しました。

ぼくもワクワクしなが記者会見の様子を見ていました。

 

 

ブラックホールについては前回の記事で詳しく触れていますので、興味のあるかたは読んでみてください!

 

今回の記事にも参考になる情報が入っていると思います。

 

mochimochinochi.hatenablog.jp

 

 

さて、前々回の記事で宇宙空間における「非存在」について考えてみました。

今回の記事はその続きです。

 

 

非存在とは言葉通り「存在に非ず」ということです。

そして非存在を追求するためには、宇宙に存在するものをすべて理解しなければなりません。

 

非存在を解明することは、宇宙の起源に迫る旅といってもよいかもれしません。

 

同時に、「存在する」とはなんなのか。

哲学的な問いの答えを探すことにもなります。

 

 

これまでは「真空」について考察しました。

まだ読んでない方は、先にこちらを読むと今回の話がより理解できると思います。

 

mochimochinochi.hatenablog.jp

 

 

今回も科学が存在を認めたもの、存在を予言しているものについて考察してきます。

原子ひとつすら存在しない「完全な真空」においても、実はなにが存在しています。

 

 

今回も中二病まっしぐらなタイトルですね!!

 

これから4つの謎をご紹介します。

この謎を糸口に「存在」をひとつずつ解明していくとしましょう。

 

そして最後には現代物理学の出した結論をみてみましょう!

 

 

コーヒーでも飲みながらゆっくりしていってください。

 

 

 

 

 

 

MYSTERY① 宇宙に存在する謎の空白領域

前々回の記事では真空について考えました。

 

真空とは原子ひとつすら存在しない空間のことです。

 

ここでみなさんはブラックホールを思い浮かべるかもしれませんね。

ところが、実はブラックホールは真空とは真逆の存在です。

 

ブラックホールはすべてを吸い込んでしまう”

こういった言い回しのせいでややこしくなってしまいますが、

 

ブラックホールが物質を吸い込むのは、重力が大きすぎて落とし穴を作ってしまうためです。

 

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ちょうどこんな感じです。

 

落とし穴には永遠に物質が落ちていきます。

物質が落ち続ければ質量は無限大になります。

 

真空にさえ存在するなにかを考察するには、ブラックホールとは真逆の存在を追わなければいけませんね。

 

 

誤解も解けたところで…

 

宇宙はとてつもなく広いですからいろんな場所があります。

全く何も存在しない場所があるかもしれませんよね。

 

実はほんとうにそんな場所があるんです。

 

 

それは「ボイド」と呼ばれる領域で、原子が1㎥あたり1個しか存在しません。

 

ちなみに地球の空気中にはどのくらい原子が存在していると思います??

(酸素や二酸化炭素などの合計)

 

 

正解は1㎥あたり53400000000000000000000個です。

 

 

比較してみると、その空白領域っぷりはたいしたもんです。

 

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ボイドの大きさは直径数億光年ともいわれています。

これだけ広大な空間でありながら原子の数が少なすぎて、ほぼ真空といっても過言ではありません。

 

さて、そんな真空空間にさえもなにが存在するというのでしょうか。

 

 

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それは「光」です。

 

 

ここでは発想の転換が必要です。

 

光は宇宙空間にぽつんと存在したりはしません。

常に光源からあらゆる方向に飛んでいきます。

 

ぼくたちに見えるのは「目に入ってきた光」だけです。

目にはいらずにそばを通り抜ける光は見えません。

 

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望遠鏡の原理もまったく同じなので、ボイドを横切る光は観測できません。

観測できない光を含めれば、ボイドも光で満ちていることでしょう。

 

 

このように光は真空空間でも大量に存在しています。

これで宇宙に存在する謎の空白領域にさえ「存在」を確認することが出来ました。

 

つぎに進みましょう!

 

 

 

MYSTERY② 見ることも触ることもできな謎の物質

「宇宙には見ることも触ることもできない謎の物質が存在する」

こんなことが言われだしたのは1930年ごろです。

 

フリッツ・ツビッキーという人物は銀河の重さを調べていました。

ツビッキーは銀河の質量を調べているうちにあることに気づきました。

(どうでもいいですけど、なんか声に出して言いたくなる名前ですね)

 

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似顔絵にはあんまり自信ないんですけど、特徴はとらえてると思います。

 

このとき銀河の質量を2つの方法で調べていました。

・銀河の運動を観測し、運動方程式を使って推定したもの

・銀河の輝度に基づいて推定したもの

 

この2つで求めた数値が同じなら実験は成功!

だったんですが…

 

2つの方法で求めた数値はなんと400倍もの乖離がありました。

これで銀河の正確な重さが分かりません。

 

ツビッキーはこのとき非常に鋭い考察をしました。

「目に見えない物質が存在するはずである」

 

研究者たちはこの謎の物質を「ダークマター」と名付けました。

 

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決して自分の研究が間違っていると認めたかったわけではありませんよ。

その後のさまざまな研究からも同じ結論が導かれています。

 

ただし、2019年現在ではその確たる証拠は得られていません。

 

近年だと2013年に欧州合同原子核研究機関の研究で

ダークマターは存在する可能性が高い」と発表しています。

 

 

たとえ真空で光すら存在していなくても、謎のダークマターは存在しています。

なぜならダークマターは見ることもできなければ、触ることもできない物質なのですから。

 

またひとつ、存在を解き明かしましたね。

 

 

MYSTERY③ 宇宙を膨張させる謎のエネルギー

宇宙は膨張しているということはいまや一般的に知られていますよね。

 

これを発見したのは、天文学者エドウィン・ハッブルです。

ご存じハッブル望遠鏡にその名がつけられています。

 

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ハッブルは銀河の動きを研究していました。

さまざまな銀河を観測しているとき、あるルールに気づきました。

 

「すべての銀河は地球から遠ざかっている」

 

これは大変な発見でした。

ひとつの例外なくすべての銀河が遠ざかっていることは、宇宙空間が膨張していることに他ならないからです。

 

 

 

この発見にさらなる追い風をもたらしたのが、一般相対性理論です。

この理論に基づくと宇宙空間は加速度的に膨張しているといった結論が得られました。

 

さらにこの理論は「宇宙が膨張するためには、そのためのエネルギーが存在するはずだ」と予言しました。

 

このエネルギーは「ダークエネルギー」と呼ばれています。

いまだ観測に成功していないことからこの名がつけられました。

 

「宇宙を成長させる謎のエネルギー」

またひとつ存在が明らかになりました。

 

 

MYSTERY④ ミクロな世界の奇妙なルール

非存在を追求する旅もそろそろ終わりです。

ここからはミクロな世界にフォーカスして考察をすすめてみましょう。

 

前回の記事でも触れましたが、ミクロな世界ではこれまでの常識が通用しません。

”あり得ない”ことが平気で起こります。

 

 

そんなあり得ないことのひとつに

「なにもない空間から、突然物質が現れる」

といったミクロ世界のルールがあります。

 

もはや常識が通用しません。

なにが起こっているか説明します。

 

完全な真空で物質もエネルギーもない箱があるとします。

つまり、そこにはなにもないはずです。

 

しかしある瞬間、2つの粒子が突然生成されます。

そして2つの粒子はぶつかって消滅します。

 

生成から消滅までの時間はほんのごく一瞬です。

 

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実はミクロな世界ではこの現象が日常茶飯事のように起こっています。

これを量子力学の言葉で「不確定性原理」と呼びます。

 

 

どんなに完全な真空空間でも、粒子が生まれては消える営みが無数に起こっています。

 

 

非常に短時間の反応であるため、直接その粒子を観測するのは不可能だと言われています。

でも、エネルギー反応を観測すればこういった現象が起こっていることが分かるそうです。

 

2つの粒子が生成されるときと消滅するときには、エネルギーが発生します。

実際にそのエネルギーの観測に成功しています。

 

 

それにしてもこの反応、まるで自然が真空を嫌っているような現象ですね。

この世界には完全な真空など存在し得ないということなのでしょうか。

 

「有らぬものは無い」

紀元前500年にパルニメデスという哲学者が述べた言葉です。

 

それから約2500年。

あらゆる方法で非存在の追求がなされてきました。

 

しかし、完全な真空を作り出すことすら不可能だと証明されていしまいました。

もしかしたら本当にパルニメデスの言う通りなのかもしれません。

 

 

量子力学は、これ以上分割できないほどミクロな世界を研究する学問です。

この結論その量子力学が発見した現象ですから、現代物理学が出した論理的帰結といえるでしょう。

 

 

おわりに

長いことお疲れさまでした。

これにていったん旅は終わりです。

 

 

ぼくたちの身の回りには目に見えないものまで含めて

さまざまなものが存在しているようですね。

 

すべての存在を解明すればいつか非存在に辿り着くはずだと思ったのですが…

残念ながら現代科学の結論は「非存在など存在しえない」といっています。

 

 

ところが近年になって「この3次元空間は実体を持たないホログラムである」という、なんともエキセントリックな宇宙論が提唱され始めました。

 

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つまりこの3次元空間はもとから存在などしていなかったと…

 

 

なんだこれ、都市伝説じゃん…

と思うかもしれませんね。

 

ぼくもそう思います。

 

 

ただ、思い付きで言っているわけではなさそうです。

一種の思考実験のようなものでしょうか。

 

これに関しては次回の記事で特集しようと思います!!

お楽しみに!

 

 

今後とも宵っ張りラジオステーションをよろしくお願いいたします!!

それでは!!

 

 

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