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【JAXA】はやぶさ2プロジェクトを紹介!!

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その問いに答えてくれるのは、

もしかしたら我らが”JAXA”のはやぶさプロジェクトなのかもしれない…

 

 

 

こんばんわ!

ガガーリンです!

 

今回の記事は、「はやぶさ2」の話題です。

 

はやぶさ2といえば、

先日、小惑星のサンプル採取の成功がニュースになっていましたね。

 

 

はやぶさ2は「はやぶさ」の後継機です。

地球近傍にある小惑星リュウグウ」のサンプル採取を目標としています。

 

 

このプロジェクトは現在進行形で進んでおり、

いまも多くの人たちが地球への帰還を熱望しています。 

 

 

 

 

はやぶさ2”に与えられたミッションは科学史上、重要な意義があるんです。

JAXAは3つの観点から、これを語っています。

 

1.科学的意義

惑星を構成する材料は天体によって様々です。

 

たくさんの天体が衝突を繰り返しながら今の姿になりました。

大昔は衝突が激しかったことでしょう。

 

同じ太陽系の他の小惑星を研究することが、太陽系の起源や進化の謎を解き明かすことにつながります。

 

 

2.技術的意義

”技術で世界をリードする”

はやぶさ2プロジェクトはこのスローガンのもとミッションを遂行します。

 

前プロジェクトの”はやぶさ”は、世界初の小惑星からのサンプルリターンを成功させました。

 

後継機である”はやぶさ2”の大きなミッションは、

その技術や経験を継承し、より確実に宇宙探査をするための技術を確立することです。

 

また、新しい技術にも挑戦し、今後の可能性を広げることも目指します。

 

 

3.フロンティア開拓的意義

未知なる領域に一歩踏み出すこと、そのものがすでに大きな意味を持っています。

 

科学や産業に新しい風を吹かせ、技術の発展を促し、イノベーションの先駆けとなります。

 

日本の宇宙研究のトップランナーであるJAXAは、国際的なプレゼンスの向上を目指し続けます。

 

 

以上が、JAXAの語る3つの意義です。

壮大なテーマであることが読み取れますね。

 

 

さて、このプロジェクトは単に小惑星からサンプルを持ち帰ることだけが目的ではありません。

 

周回軌道を予測する理論の正しさを証明することや

それを支えるテクノロジーの進化。

 

そして、なにより宇宙へのロマン!!

 

 

これらが揃ってやっとプロジェクトは成功するでしょう。

 

特に技術面では、世界をリードするものもあります。

 

 

今回の記事では、”はやぶさ2”のミッションや搭載されている技術について語ろうと思います。

 

みなさんも一緒に”はやぶさ2プロジェクト”を応援しましょう!!

 

 

 

 

 

 

 

我々はどこから来たのか

太陽系に存在する無数の小惑星には、たくさんの秘密が眠っていると言います。

 

「我々がどこから来たのか」

 

小惑星に眠る秘密がこの問いに答えるための重要な手がかりを持っています。

 

 

 

ぼくたちの暮らしている太陽系は、46億年前に誕生したと言われています。

誕生直前の太陽系は、惑星同士の衝突が盛んでした。

 

地球やその他の大きな惑星は、これを繰り返して今の形になりました。

 

小惑星はそのときに飛び散った破片であることが大半です。

 

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こうして宇宙を漂う定めとなった小惑星は、未だに太陽系が誕生したときと同じ姿をしています。

そのため、このような小惑星は「始原天体」とも呼ばれています。

 

 

これらの天体はどんな原子から形成されているのでしょうか?

 

 

 

それが分かれば、太陽系が誕生した時の状態を説明することが出来ます。

 

すなわち、生命の誕生について説明ができるかもしれないということを意味しています。

 

 

 

 

それだけではありません。

 

小惑星は隕石として地球に落下することもあります。

はやぶさプロジェクトでは、小惑星の周回軌道を推測し、天体の衝突に備える活動も兼ねています。

ロシア 

 

 

さらにさらに、小惑星には資源が豊富に存在するかもしれません。

これらをエネルギー源とすれば、宇宙空間でのエネルギー供給が可能になります。

 

 

宇宙のガソリンスタンドみたいになったら面白いですね。

 

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さて、小惑星探査は非常に大きな意義があることはお分かりいただけたと思います。

 

次からは、ターゲットとなる小惑星を探しましょう! 

 

 

 

MAIN TARGET  「リュウグウ

太陽系には小惑星がたくさん存在するゾーンがあります。

火星と木星の間の「小惑星帯」と呼ばれる場所です。

(名前そのまんまですね…)

 

小惑星も古くから存在するものや、最近できたばかりのものなど様々です。

その中でも「C型小惑星」と呼ばれる小惑星は、比較的古くから存在しています。

 

C型の”C”は炭素のことです。

 

カーボンの"C"です。

 

 

C型小惑星は比較的に原始的な惑星と予想されています。

大昔のまま姿を変えていないという意味です。

 

つまり、太陽系の成り立ちを解明する手がかりが眠っています。

 

 

はやぶさ2が目指すのは、このC型小惑星のうちのひとつ。

リュウグウ」です。

 

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理論上、C型小惑星には炭素が豊富に存在すると予言されています。

はやぶさ2の持ち帰ったサンプル分析の結果、炭素がたくさん含まれていれば、この理論の正しさを証明することができます。

 

 

理論の正しさが証明されれば、もっと遠くの星についていろんなことが分かってくるかもしれませんね。

 

 

 

ところで、リュウグウの周回軌道はこんな感じです。

 

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出典:http://www.hayabusa2.jaxa.jp/science/ryuugu/

 

 

地球からは意外とご近所さんですね。

 

 

ターゲットも決まったことですし、いよいよリュウグウ目指して出発といきましょう!!

 

 

 

打ち上げに成功!!

 

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出典:http://fanfun.jaxa.jp/topics/detail/3453.html

 

2014年12月3日 13:22:04

 

はやぶさ2はリュウグウへの広大な旅路を歩み始めました。

 

写真に写っているのは、H-ⅡAロケットの26号機です。

この中にはやぶさ2が収納されています。

 

 

さて、旅は種子島宇宙センターというところから始まります。

 

H-ⅡAロケットは、宇宙空間に進出した後、まずは地球を一周します。

 

 

打ち上げから1時間47分21秒後、はやぶさ2の切り離しポイントに到着。

ここからはやぶさ2はリュウグウとの待ち合わせ場所へ向かいます…

 

リュウグウも太陽の周りを公転しているので、待ち合わせはこんな感じです。

 

 

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細かい軌道修正を繰り返しながら、約束の時間ピッタリに到着することができました。

はやぶさリュウグウも律儀ですね。

 

 

はやぶさ2がリュウグウの周回軌道に乗ったらいよいよミッション開始です!!

 

 

 

 

ファーストミッション:サンプルを採取せよ!

無事、周回軌道に乗ることが出来れば、そのあとは着陸のタイミングをうかがいます。

 

リュウグウの表面はゴツゴツした鉱石がたくさんあります。

これを持ち帰ることがはやぶさ2のミッションです。

 

 

しかし、はやぶさ2にヒトは乗っていません。

いったいどうやって鉱石を拾うのでしょうか…

 

 

2019年2月21日 20時頃

はやぶさ2はリュウグウに向かって急降下を始めます。

 

 

光学カメラで正確に距離を測定しながら、予定していた採取ポイントを目指します。

 

サンプリング装置がリュウグウの地表にセッティングされます。

 

 

サンプルを採取するのに用いられるのは、「SMP」と呼ばれるサンプリング装置です。

 

 

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まずは、先端にカエシのついている筒を地表に近づけます。

 

次にはやぶさ2から小さな弾丸を打ち込みます。

すると重力の弱いリュウグウでは、鉱石が大きく宙に浮かびます。

 

浮かび上がった鉱石を吸い込んだら最後にフタをします。

 

 

これでリュウグウの鉱石をサンプリングできました!!

 

 

筒についているカエシは、鉱石ではなく砂礫を拾うために機能します。

もしも鉱石の採取に失敗していても、手ぶらで帰るわけにはいきません。

そのためのバックアップです。

 

 

さらに、はやぶさ2のサンプリング装置はシール性能が高いので、リュウグウに存在する気体も持ち帰ることが出来ます。

(シール:密閉すること)

 

このミッションは無事、成功を収めました!

はやぶさ2は再びリュウグウの周回軌道に戻ります。

 

 

そして、のちに控えているセカンドミッションに備えます。

 

 

 

セカンドミッション:人口クレーターを生成せよ!

セカンドミッションはファーストミッションよりも難易度が高くなります。

 

なんと小惑星に人口のクレーターを作り出し、宇宙空間にさらされていない新鮮な鉱石を採取するというのです。

 

クレーターをつくるためにはどうすればいいのでしょうか。

 

 

答えは”人工隕石をぶつける”というものです。

 

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”SCI”と名付けられた隕石衝突装置は、銅の塊でできた球を秒速2kmに加速してリュウグウに向けて発射します。

 

 

2019年4月5日

SCIから発射された人工隕石は、みごとにリュウグウにクレーターを作り出しました。

 

 

そのあとはファーストミッションと同様に、サンプリング装置をつかって鉱石を採取します。

 

このサンプル採取は2019年5月以降に予定されています。

 

 

 

 

クレーター内の鉱石は地表の鉱石と何が違うのでしょうか。

その結果は、はやぶさ2が地球に帰還すれば明らかになるでしょう。

 

 

実はこの人口クレーター生成は世界初の快挙です!

 

JAXAは宣言通り、フロンティアへの挑戦を成功させました。

 

サンプルの採取に成功したはやぶさ2は、2019年11月頃に地球へ向かって出発する予定です。

 

地球への到着は2020年11月頃になると言われています。

はやぶさ2の帰還を心待ちにするとしましょう!

 

 

 

最新テクノロジーを多数搭載

はやぶさ2が世界初のミッションを成功させることができたのは、最新のテクノロジーを多く搭載していたからです。

 

 

はやぶさ2”は前プロジェクトの”はやぶさ”から多くの改良を施しています。

 

まずは、装置の改良や故障に備えたバックアップの充実が挙げられます。

 

 

特に姿勢制御装置は3台から4台へ増設されています。

 

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はやぶさで3台中2台故障があったことを受けての改良です。

 

 

軌道修正用のイオンエンジンにも改良が加えられています。

イオンエンジンはアーク放電やマイクロ波によって電離したイオンを高電圧で加速させ、燃料に吹き付けることで推進力を得るエンジンです。

 

頭に?マークが浮かぶ人も多いかもしれませんね。

 

分かりやすくするとこんな感じです。

 

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余計分かりにくくなってしまったかもしれません…

 

 

さて、イオンエンジンに加えられた改良は以下のようになっています。

 

・燃料を節約することができるようになった!

 

・故障に強くなった!

 

・推進力が強くなった!

 

良いことばっかりですね。

 

 

 

軌道修正用のスラスターにも改良が施されています。

 

 

はやぶさ2には12基のスラスターが搭載されています。

うまいこと調整して軌道を修正します。

 

 

このスラスターは実はやぶさでは燃料漏れの故障がありました。

 

燃料漏れの課題を解決するために、燃料配管を以下のように改良しました。

 

・気密試験を厳重にした!

 

・溶接個所を最小化した!

 

・溶接のプロセスを改善した!

 

これはもう職人の技術に依存するところが大きいと思います。

 

 

 

ここからは改良されたポイントではなく、はやぶさ2のテクノロジーについて紹介しますね。

 

はやぶさ2には4つのカメラが搭載されています。

4つのカメラを組みあわせることで、正確な制御が可能になります。

 

 

まずは光学航法カメラ。

4つのカメラには主に宇宙を飛行するときに使うものと、小惑星の撮影に使われるものに分かれます。

 

このカメラは探査機のナビゲーションを担当します。

目的のリュウグウに正確にたどり着くために役立ちました。

 

 

続いて近赤外線分光計というカメラ。

小惑星に赤外線を当てることで、反射を観測して含まれる水分や鉱物を調べることが出来ます。

 

この赤外線の波長は3ミクロンです。

非常に細かいところまで観測できます。

 

 

さらにお次は中間赤外カメラ。

10ミクロン帯という波長を用いています。

 

さっきのカメラよりも波長が大きいですよね。

ようするに大雑把な情報を探すことが出来るということです。

 

主に小惑星の表面がどんな物理状態か調べることが出来ます。

 

 

 

最後はレーザー高度計です。

レーザーを用いて探査機と小惑星の距離を計測します。

計測範囲は数10m~数10kmと広いです。

 

サンプル採取のために小惑星に近づくときに役立ちます。

 

 

 

以上がはやぶさ2に搭載されている主なテクノロジーです。

 

 

最新鋭の宇宙探査機だからといって、常人には理解できないシロモノというわけではありません。

 

むしろ町工場の職人技に支えられている部分が大きいんです。

 

下町ロケットって覚えていますか?

はやぶさ2にも、あんな感動秘話が込められていることでしょうね。

 

胸が熱くなります。

 

 

 

世界的評価

はやぶさ2に搭載された最新技術や、ミッションの成功は世界的にもその功績を評価されています。

 

 

科学界の権威である”サイエンス誌”に3本の論文を掲載しました。

 

 

"Aviation Week Network Annual Laureate Awards"という賞を受賞しました。

 

これは航空宇宙分野における並外れた業績を称えるものです!

 

これからの世界に新たな価値観やビジョンを示し、イノベーションを起こした証拠に贈られます。

 

この賞は4つの柱からなります。

そのうちのひとつ「Space:technology&Innovation」という分野で表彰されました。

 

表彰式はワシントンD.C.にあるアメリ国立博物館にて執り行われました。

 

 

他にも日本航空宇宙学会技術賞を受賞しています。

 

小惑星へ到着するための技術に対して表彰されました。

 

先ほど紹介した、イオンエンジンや光学電波航法などを含む先進的な工学の成果が認められました!

 

 

はやぶさ2の帰還を待つべし

はやぶさ2は今、2回目のサンプリングのタイミングをうかがっているところです。

(2019年5月現在)

 

2019年末に地球に向けて出発し、2020年末に地球に到着する予定です。

 

 

いま、地球とはやぶさ2の間にはどれくらいの距離があるのでしょうか。

 

はやぶさ2のプロジェクトホームページでは、リアルタイムに計測した距離を見ることが出来ます。

 

 

一度覗いてみてはいかがでしょうか??

 

 

 

さて、ここで悲しい現実をお伝えしなくてはなりません。

 

実はこのはやぶさ2は生きて地球に帰ってくることはできません。

 

 

計画でははやぶさ2の本体は地球の大気圏で燃え尽きることになっています。

 

 

 

いまリュウグウにいるはやぶさ2は二度と地球の地を踏むことはできません。

最後にはやぶさ2の姿を見ることが出来るのは、おそらく大気圏突入直前です。

 

 

少し寂しいですが、これからもはやぶさ2並びにJAXAのプロジェクトチームを応援しましょう!!

 

 

今回はこの辺で!

ありがとうございました!

 

 

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