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【火星大接近】火星移住計画のイロハ

火星が古来より、戦乱・災厄・そして「凶」をもたらす兆しと言い伝えられてきたのは、その赤黒くギラついた輝きがギリシャ神話に登場する「軍神アレース」を想像させたからでしょう。

 

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アレースはローマ神話では「軍神マルスという名で登場しています。

火星が英語で「mars(マーズ)」と呼ばれるのはそのためです。

 

アレースとマルスは同一人物でありながらも、それぞれの神話における人格は異なるものでした。

 

ギリシャ神話の軍神アレースは、激しい乱戦と殺戮を司るとされています。

一方で、ローマ神話の軍神マルスは、勇敢であり、理想の青年像として慕われ、主神並みに崇拝される神として描かれています。

 

どちらをとっても、勇敢で戦乱の世を象徴する存在として描かれています。

 

火星のすさまじい輝きがほかの星々を圧倒する様は、さながら他国を圧倒的に支配する軍神のようにも見えてきます。

古代の人々はとても感受性が豊かだったのでしょう。

 

 

時は流れ、2018年7月。

火星が15年ぶりに地球に大接近しているのは、みなさんもご存じの通りです。

皆既月食をみることはできたでしょうか。

(あいにくぼくは見られませんでした。)

 

 

現代を生きるぼくたちは火星を、軍神としてではなく、別の意味で捉えています。

「新たな移住先の最有力候補」です。

 

火星に関するニュースをよく耳にすることも多いと思います。

 

そこで!

この記事では、人類のたどってきた火星探索を紹介するとともに、火星移住計画の全貌についてお話していきます!

 

日本でも、もちろん火星に関する研究は進んでいます。

こちらも併せてご紹介します。

 

 

 

 

角のとれた小石が教えてくれたこと

火星とはどんな星なのでしょうか。

かつて噂されたように、知的生命体が存在する確率はあるのでしょうか。

 

 

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19世紀の科学者、パーシヴァル・ローウェルが唱えたのは、

「火星には知的生命体が存在する」というものでした。

 

この説は多くの人々の興味を引き、続々と火星に探査機が送られるようになりました。

しかし、探索は残念な結果が続きました。

知的生命体の存在はおろか、「火星の表面は大気が薄く」・「強い太陽風が吹いていて」・「液体の水が存在しない」、といったことが次々に明らかになってきました。

 

 

ところが、1997年にアメリカの探査機、「マーズ・パスファインダー」がついに大きな成果をあげました。

 

「角のとれた小石」の発見です。

なぜ小石が大発見なのか、みなさんにはわかりますか?

 

 

(シンキングタイム) 

 

 

そのとおりです!

 

かつて火星には河があったという証拠になるからです!

 

星に生命体が存在するためには、3つの条件があります。

「液体の水」・「有機物」・「エネルギー」です。

 

条件のうちのひとつである、安定した液体の水が存在しうる可能性が見えてきました。

最近、この発見を裏付けるような新たな発見がありました。 

 

 

NASAの火星探査機「キュリオシティー」が、火星の地中に幅20キロもの湖があることを発見したのです!

 

火星に液体の水が存在する決定的な証拠はこれが初めてです。

 

これを受けてオープン大学のマニッシュ・パテル博士は非常に興味深いことを語りました。

「火星の知的生命体は地中にいるのかもしれない。」

 

角の取れた小石が教えてくれたのは、知的生命体の存在なのかもしれません。 

 

 

火星で安心して眠れるのだろうか

火星で知的生命体が生きていけるかもしれないという証拠が少しずつ揃い始めました。 

ただし、確証が得られたわけではありません。

 

それでも、火星移住計画は着実に前へ進んでいます。

 

 

2024年に火星に人類を送ると宣言しているのは、ご存じスペースX社CEOの「イーロン・マスク」です。

 

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他にも、NASAやオランダの民間団体「マーズ・ワン」が火星移住計画を進めています。

 

 

いずれ地球は、環境破壊・人口増加などによって危機的状況に陥るかもしれません。

そうなれば、ぼくたちは宇宙に出ていくしかないでしょう。

 

火星移住計画は、そのための技術を早急に確立するというミッションを背負っています。

 

マスク氏の計画では、100年後には火星に自立した都市を創り上げることを目標としています。

 

スペースX社は民間企業でありながら、国際宇宙ステーションへのドッキングを何度も成功させています。

また、2018年2月に打ち上げられた「ファルコン・ヘビー」には27基ものエンジンの出力を精密に制御する技術があります。

 

人類を移送する手段は確実に成長を見せています。

ところで、火星表面で暮らしていくこと自体に大きな問題はないのでしょうか。

 

食糧や水分、住む場所などは、技術的になんとかなるかもしれません。

しかし、火星という星そのものが抱えている大きな問題が2つあります。

 

 

1つ目の問題は、強い放射能です。

先ほど紹介した、火星探査機「キュリオシティー」の調査によると、火星上で4,5日過ごすだけで、約2.4ミリシーベルト放射線を浴びてしまうことが分かりました。

 

この数字は、地球で1年間暮らしている間に浴びる放射線とほぼ同じ数字です。

 

火星には磁気がなく、大気もかなり薄いため、宇宙からの放射線を十分に遮ることができないのです。

さらに地球から火星への渡航には、最短でも3~6か月かかるといわれています。

渡航中も強い放射線を浴びることになってしまっては、なんのために火星に移住するかわからなくなりますよね。

 

放射線を確実に防ぐ技術を確立するか、地中に都市を建設するか。

いずれにしても、放射線対策への回答を強く求められます。

 

 

2つ目の問題は、巨大な砂嵐です。

火星では6~8年に1度の頻度で星全体を飲み込むほど巨大な砂嵐が起きています。風速は秒速数十メートルにも及び、これが数か月続きます。

 

火星の大気は地球の100分の1程度なので、建物を吹き飛ばすほどの力をもちません。

しかし、砂嵐の中にはかなり小さな微粒子も含まれているようで、呼吸器官への悪影響や、電子機器の故障といった問題が発生します。

 

また太陽光が遮られてしまうので、太陽光発電が機能しなくなってしまうと、エネルギーの枯渇問題にも発展しかねません。

 

 

この2つの問題は、火星という星ならではの特性です。

 

放射線対策の宇宙服でガチガチに固められて、巨大な砂嵐から身を守るためにコロニーの中だけで暮らすことを想像すると、かなり窮屈です。

 

人類が生きていくには過酷すぎる星なのかもしれません。

 

 

 

火星移住、本気ですか?

「火星移住計画って本気なの?」

「ぼくたちが生きているうちは無理でしょ」

 

こんなふうに思っている方もたくさんいらっしゃると思います。

 

答えはこうです。

「本気です。そして、今生きている人の多くが、火星への有人飛行を目撃するはずです。」

 

その証拠を2つお見せしましょう。

 

 

1つめの証拠は、民間企業の参入です。

これまで、宇宙事業というのは国家事業でした。莫大な資金と研究が必要だからです。

ところが近年になって、民間企業が宇宙事業に参入し始めました。

 

スペースX社や、ボーイング社は代表的なところです。

(ボーイング社はもともとNASAから受注を受けていましたが)

 

他にもAmazon創始者ジェフ・ベソス氏がブルー・オリジンという企業を立ち上げるなど、アメリカでは1000社以上ベンチャー企業が宇宙事業に参入しています。

 

ベンチャー企業たちの競争によって、宇宙開発はますます熱を帯びていくことになるでしょう。

 

 

2つ目の証拠は、スペースX社の存在です。

2018年2月に打ち上げられた「ファルコン・ヘビー」は、革新的なものでした。

高さ70メートルと、現行機種のロケットでは一番の大きさを誇ります。

 

このときファルコン・ヘビーから、テスラ社のロードスターが惑星軌道に切り離され、宇宙をドライブする映像が注目を浴びました。

 

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ロードスターを運転するのは「スターマン」と名付けられた男で、太陽系を半永久的に周回し続けます。

 

余談ですが、このロードスターはマスク氏の私物だそうです。

 

 

ここからが重要です。

ファルコン・ヘビーには次なる宇宙船の構想が込められていました。

 

「ビッグ・ファルコン・ロケット」

通称「BFR」と呼ばれるスペースX社が開発中の新たな宇宙船です。

 

高さ106メートルにも及ぶころロケットは、100人もの乗客を招くことができるように設計されています。

 

そしてこのBFRは2019年にも飛行試験を実施する可能性があるとのことです。

BFRは火星移住計画において、人間を移送する手段として位置づけられています。

 

そして2024年には、初めての火星への人類移送が行われる予定です。

 

面白いことにBFRは、国際線旅客機としての運用も視野に入れていて、東京-NY間を37分で移動する計画があります。

 

国際線にロケットが用いられることが常識となれば、量産体制が整ってコストの大幅減少につながります。

民間企業の参入もこれまでより容易になり、ますます宇宙事業は発展していきます。

 

マスク氏はここまで想定して、BFRの開発を進めているのです。

 

 

いかかでしょうか。

この2つだけ見てみても、火星移住計画がかなり現実味を帯びてきたのではないでしょうか。

 

宇宙事業は民間人の仕事になり、ますます手の届くところまで近づいてくるシナリオがすでに描かれているのです。

 

 

軍神マルスの息子たち

ローマ神話で描かれる軍神マルス

彼はいつも2人の息子を連れていました。

 

恐怖を意味する「ダイモス」、敗走を意味する「フォボス」の2人です。

戦争に恐怖や敗走はつきものです。

まるでマルスの違った一面を描いているかのようにも見えてきます。

 

マルスの名を冠した星「火星(mars)」には2つの衛星があります。

それぞれを神話になぞらえて「ダイモス」・「フォボス」と呼ばれています。

 

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フォボスのサンプルを入手せよ

フォボスダイモスは、火星とほかの天体が衝突したことで誕生したとする「ジャイアント・インパクト説」が有力です。

 

つまり、フォボスダイモスに着陸してサンプルを持ち帰ることができれば、火星の起源がわかってくるのではないでしょうか。

 

これを実現しようとしているのが、我らが「JAXA」です!

 

JAXAMMX計画」では、フォボスに着陸し、10グラムのサンプルを持ち帰ることを目標としています。

 

はやぶさ2」では、サンプル採取目標が100ミリグラムと設定されているので、かなり大がかりな計画であることが見て取れます。

 

 

ほかの惑星の衛星からサンプルを持ち帰るというのは人類初の試みです。

MMX計画は2024年の打ち上げを予定していて、2029年に地球への帰還を目指しています。

 

2029年には解析技術がさらに発展していて、大きな発見につながることを期待しています。

 

我らがJAXAの挑戦をみなさんもぜひ一緒に応援しましょう!! 

 

 

最後に

2018年の夏の天体ショーは楽しんでいますか?

火星の他にも土星木星も見ることができますよ!

8月のペルセウス座流星群も楽しみですね!

 

参考までに国立天文台が公表している、夏の夜空の見取り図をつけておきますね。

 

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地球と火星は2年2か月に一度、接近します。

つまり効率よく火星に探索機を送るためにはタイミングを見計らうことが大切です。

(燃料を節約するのか、最短で到達するのかといった考え方にもよりますが)

 

 

 

近い未来でいうと、2020年がそのタイミングにあたります。

各国から火星への探査機がいっせいに送り出される年になるでしょう。

 

アメリカの「マーズ2020」

ヨーロッパ・ロシアの「エクソマーズ2020」

アラブ首長国連邦の「アル・アマル」

 

この3つが有名なところです。

2020年は火星旅行ラッシュともいえるかもしれないですね!

 

 

人類の火星への興味は、大きくなるばかりです。

 

火星に大都市が建設され、火星に旅行に行くような時代になるかもしれません。

世はまさに大航海時代です。

 

そうなったら一度は火星に行ってみたいですね。

民間企業が参入しまくっているので、お金さえあれば火星に連れてってもらえるかもしれませんよ!

 

そんな妄想はさておき、宇宙に関するプロジェクトはたくさんのロマンを与えてくれます。

 

宇宙の謎が全部解けるまで、生きていたいです。

大接近している火星に向かて思いを馳せるとしましょう。

 

 

最後まで読んでくださってありがとうございました。

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