【ウーパールーパー】再生メカニズム・ガン治療の重要参考人

突然ですが、ウーパールーパーって知ってますか?

 

ぼくの実家ではウーパールーパーを飼っているんですが、こいつがまたかわいいんです。

 

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はい、かわいいですね。(ゴリ押し)

 さて、ペットとしてお馴染みのウーパールーパーですが、実は生物学では貴重なモデルでした!

 

ウーパールーパーのすごいところは

「切断された四肢をも再生する再生能力」です。

 

人間とはくらべものにならない再生能力を持っています。

 

ウーパールーパーのDNAを解析し、この再生能力の秘密を解き明かすことで、人間の医療にも大きな影響を与える可能性があるかもしれません。

 

この記事ではウーパールーパーの生物学的な秘密に迫ります。専門用語が多くなりますが、ちゃんと解説するので安心してください。

 

 ちなみにウーパールーパーの正式名称がアホロートルってことは知ってました?ここからはウーパールーパーのことをアホロートルと呼ぶことにしますね。

 

 

 

再生研究の貴重なモデル生物 

オーストラリアの分子病理学研究所とドイツのマックス・プランク研究所の合同国際研究チームがアホロートルのゲノムを解析したと発表しました。

 

アホロートルは肢や器官を再生することができるので、発生・進化・再生の研究における重要な生物モデルとされています。

 

これまでは、アホロートル約320億塩基対という非常に長いゲノムの解析や、アセンブリは不可能でした。

 

しかし、近代のスーパーコンピューターの発展によって開発されたゲノムアセンブリ法(MARVEL)を用いて、ゲノム解析アセンブリを成功させたとのことです。

 

これによって、生物の発生・再生・進化のメカニズムの解明が大きく進展することになるかもしれません。

 

 

専門用語解説

専門用語の解説をしておきます。

 

・ゲノム、ゲノムサイズ、塩基対

ゲノムとはDNAのことです。

これの長さのことをゲノムサイズ、塩基対とも言います。

 

・ゲノムの解析、アセンブリ

ゲノムの解析とは文字通り、ゲノムをすべて読むことができるようになることです。

ゲノムのアセンブリとは、ゲノム解析において20~1000程度の解析を繰り返すことで、とてつもなく長いゲノムを解析し、マッピングする技術のことです。

 

人間のゲノムサイズは約30億対と言われていますから、比べると10倍ものゲノムサイズを有しています。とりあえず、とてつもなく長すぎて今までの技術では解析しきれなかったということですね。

 

・発生、再生

発生・再生とは、生物の成長や、傷・四肢の再生のことだと思っていただければ大丈夫です。

 

再生メカニズムの解明

ゲノム解析が終わったといっても、生物の発生や再生、進化のメカニズムがすべて解き明かされるわけではありません。まだ謎が残っています。

 

320億対の塩基配列のなかには実際に機能しているかが怪しいゲノム配列がありました。「特に意味をなさない」という意味で、ジャンクDNAと呼ばれているようです。

 

しかし、これがほんとうに意味をなさないのかは未だにわかっていません。その機能にまだ気づいていないのかもしれません。

 

アホロートルと同じく再生機能を持つトカゲも、200億対の塩基配列を持つといわれています。再生機能に長けている生物が長い塩基配列を持つという共通点があるのは明らかです。

 

個人的な意見で申し訳ないですが、このジャンクDNAが未知の役割・機能を持っている可能性は否定できないと考えています。 

 

生物の発生・再生・進化のメカニズムに関しては、研究チームのさらなる発表を待ちましょう。

 

不可解な点

ゲノム解析の結果、さらに興味深いことが分かりました。アホロートルのゲノムには、多くの動物の発生・再生に不可欠「Pax3」という遺伝子コードが存在しませんでした。

 

Pax遺伝子(パックスいでんし)とは、動物の発生・再生に必要で不可欠な遺伝子の組み合わせのことです。Pax1~Pax9までのグループ分け(9つのメンバーと呼ばれる)があります。

 

なかでもPax3とPax7はPax group 3というグループ(サブファミリーと呼ばれる)に分類されていて関連遺伝子ともいわれるほど似ている遺伝子コードです。

 

ちなみに発生・再生にはそれぞれの部分に応じたPax遺伝子が関与します。Pax3は「耳・眼・顔」、Pax7は「筋肉」といった具合です。

 

 

アホロートルのゲノムにはPax3が存在しない代わりに、この関連遺伝子の「Pax7」が変異することでその役割を果たすことが分かりました。

 

なぜわざわざほかの遺伝子を変異させることで、Pax3の役割を果たしているのかはです。

 

この謎が発生・再生に関与している可能性も含めて、これからの調査が進んでいくことになるでしょう。

 

 

 ガン治療の重要参考人

アホロートルはガンにならないそうです。

 

ガンというものは、遺伝子に異常が生じた細胞が分裂を繰り返し、広がっていくことで発症します。人間の体では白血球がこのガン細胞を監視して排除することで、正常を保っています。

 

アホロートルが再生能力に長けるということは、細胞分裂のスピードが速いということです。ガン細胞も容易に増殖してしまうように思えます。

 

しかし、そうならないということは何か秘密があるに違いありません。これからさらに研究が進めば、ガン治療に革命が起きるかもしれませんね。

 

ひょっとすると、ジャンクDNAやPax遺伝子が関連しているかもしれません。

 

 

最後に

ウーパールーパーアホロートル)について書いてみましたがいかがだったでしょうか?

専門用語が多くなってしまってすみません。

 

ウーパールーパーは条件が揃うと変体して、サンショウウオみたいになるようです。我が家で一緒に暮らしている彼も変体する日がくるのでしょうか。

 

 

それにしても、何も考えていないような顔をしていますし、顔の真上にエサを落としてあげないとご飯も食べられない彼らに、人間のガンを治すことができるかもしれないと思うとワクワクしてしまいますね。

 

ガンだけではなく、もしかしたら失った四肢を再生することが出来るようになるかもしれません。

 

 小さな体に秘められた謎にこれからも注目していきたいと思います。