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【自動運転技術】自動ブレーキ搭載の車が増えてきた今だから聞いてほしい話。

先日のニュースで2017年度の自動ブレーキ誤動作の件数が発表されました。国土交通省によると2017年度自動ブレーキをめぐるトラブルは340件にも及びました。

 

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国土交通省調べ

 

ネットでは

「自動ブレーキなんて意味があるのか」

「運転手はなにをしていたんだ」

「やっぱり機械は信用ならない」

といった声が多く見られました。

 

 

自動運転の技術については先日の記事でも触れましたが、

自動ブレーキ機能というのは「自動化レベル2」と評価されています。

このレベルではまだ運転の主役は人間ですので、自動化されている範囲はかなり少ないです。

 

先日の記事を読んでいただければ、より話がわかりやすいと思います。

mochimochinochi.hatenablog.jp

 

自動ブレーキが十分に動作しなかったことが事故の原因なら、その事故は人間の過失によるものだと思います。

しかし、勝手に動作して事故が起こっていることもあり批判の意見が多くあることも理解ができます。

 

 ただこの340件という数字が自動運転技術を批判する材料に使われるのは悔しく思います。

それに自動ブレーキが人命を救ったというニュースはあまり耳にしませんよね。

 

この記事では、自動ブレーキによる事故の原因やトラブルをなくしていくために、自動ブレーキの原理や考え方を紹介しようと思います。

そして、どういった視点で自動ブレーキという技術と向き合っていくべきかを考えていこうと思います。

 

 

 

自動ブレーキの概念

自動ブレーキ(オートブレーキ)は、車載カメラやセンサーによって障害物を検知し、追突の危険性をドライバーに通知するシステムという考えのもとで開発されました。

追突間近になり、危害が及びそうになると自動的にエンジンの出力を落としてブレーキをかけるように制御します。

 

エンジンの出力を自動的に制御するといっても、「ドライバーの主体性を担保しなければならない」という考えのもとで設計されていることがわかりますね。

 

運転に必要な3要素、「認知」「判断」「操作」をドライバーと車が別々で遂行するために、お互いの領域が入り混じっています。

しかも運転の主体性はドライバーが担保しなければなりません。

 

こうして見ると運転の難易度が下がるとは考えられません。

むしろ自動ブレーキ機能があるということを運転中は常に考えていなければならないことになります。

 

「自動ブレーキを過信してはならない」

という意見を深く考えると、

「自動ブレーキ機能と調和した運転技術を要する」

と言い換えたほうが適切なように思います。

 

自動ブレーキは複雑?

上で述べたように、自動ブレーキ機能によって、運転はドライバーと機械(センサー等による自動制御)の2人でするようなものです。

これが自動ブレーキ技術の複雑さといってもいいのではないでしょうか。

 

例えると、自動車学校の教習車のように助手席にもブレーキがついていて、

教官がブレーキを踏むようなものです。

主体性はドライバーが担保しつつも、教官は自分と違う感性で危険を判断してブレーキを踏みます。

 

ドライバーからすれば勝手にブレーキが踏まれたと感じますし、

教官がブレーキを踏まずに事故に至ったとしてもそれはドライバーの責任です。

 

この例だと、助手席に座っているのは人間ですから、ある程度の意思疎通は図れるはずです。

自動ブレーキはこれが機械なので難しいことから事故に至ったのではないでしょうか。

 

どの企業のものも基本的な設計方針は似ているでしょうが、使用するセンサーやカメラが異なります。

ソフトウェア面で見てもアルゴリズムやプログラムは独自のものになっているでしょう。

 

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ご覧のように車載のセンサーやカメラは数が多く技術的に複雑なため、興味のない人は深く理解しようとは思わないかもしれません。

 

それに、「自動ブレーキ」というネーミングから、原理や動作条件について深く考えようとはしないのかもしれません。

 

事故の詳しい状況が公表されておらず、はっきりわかりませんが事故の原因の一部は理解不足が大きかったと言ってもいいかと思います。

 

 

 私たちの歩み寄りが必要

自動ブレーキ技術によるトラブルを

なくすためにはどうすればよいでしょうか。

 

それはぼくたちが技術について理解することです。

 

車を購入するにあたって

自動ブレーキ技術についてどんなセンサーやカメラが搭載されていてどんな条件で動作するのか。

しっかりと説明を求めるべきです。

 

そうしなければ、せっかくドライバーの安全のために開発された自動ブレーキでさえも必要のないものになってしまいます。

 

さらにはセンサーやカメラが未熟なために誤動作から事故に至るケースもあるでしょうが、「自動化レベル2」の現段階ではドライバーにも責任を求められてしまいます。

 

 

 技術との向き合い方を考える

自動化レベル2の現段階では、ドライバーと機械がそれぞれブレーキの判断を下すために運転が非常に複雑化しているといえます。

 

技術的にこの問題を根本から解決するにはやはり完全なオートパイロットの実現が必要だと思います。

 

ぼくはこう考えています。

「自動ブレーキは完全オートパイロット実現への通過点」

 

いきなり完全なオートパイロットを

実現するには課題が多すぎます。

 

しかし、テスラ・モーターズがいち早くオートパイロットを完成させると宣言し、世界をリードしており、さらに一定の支持を集め続ける以上、他の企業も追随せざるを得ないでしょう。

 

オートパイロットの開発資金調達や、生産競争の生き残りを考えると、一歩ずつ自動化を進めていこうというのが上手くやっていくには確実な考え方かもしれません。

 

しかし、特に日本はこのスピードが遅いと感じます。

それは今回のネットの反応にもあるように、批判が多いからです。

 

自動ブレーキによる事故件数の数字を見て、「自動ブレーキなんて必要ない」という世論になってしまえば、これまでの開発が無駄になってしまいます。

 

大きな企業であればあるほど、批判を恐れるのは日本の企業の風潮でしょう。

慎重になりチャレンジを減らし、他に追随するようになってしまいます。

 

こうなってしまったのは紛れもなく

ぼくたちのせいなんだと思います。

 

自動ブレーキの必要不必要を議論している場合ではありません。

 

オートパイロット実現に向けて世界中が動いています。

 

そんな中で、どの企業ならより安全で誤作動もなく、技術の高いオートパイロットを実現してくれるのか、真剣に考えて自分で選んでいかなければならないと思います。

 

EVについても同様だと思います。

石油に頼っている今、中東の国に権力が集中して争いが絶えません。

 

なにを選ぶべきかを考えるべきです。

 

 

大事なこと

2017年度の自動ブレーキのトラブル件数についてのネットの反応を見て正直悔しいと思いました。

 

これだけの批判があれば、新しい技術の芽を摘むことくらい容易いように感じたからです。

 

自動ブレーキが死亡事故につながる事象もあったために批判もあって当然かもしれません。

ですが今、日本という国は批判を恐れて身動きが取れません。そして新技術の開発スピードは海外より圧倒的に遅いです。

 

ぼくたちが今回の件で考えなければならないのは、自分の目で見極めること。

 

そしてその企業のを応援してほしいです。

「どの企業の自動ブレーキなら事故が減らせるのか。」

こういったことを議論しなくては、自動ブレーキ技術がもたらす事故のない世の中にはなっていかないと思います。

 

応援するといっても様々ですよ。

・その企業の製品を購入する

・その企業で働く

・その企業について調べる(検索数が増えます)

・その企業のひとが書いた本を買う

・その企業のスポーツチームを応援する

こんなことでも企業の力になれます。

 

お金を投資するのが難しければ、その企業について知るために時間を投資してあげてください。

 

 

世の中全般に言えることですが、新しい技術は日々開発されています。

 

そこに批判ばかりしていても仕方ありません。

 

「どの企業が自分の生活を豊かにしてくれるのか」これを議論するほうが有意義です。

 

そしてその企業の力になってあげるのがぼくたちの役割です。

 

ぼくたちはもうただの消費者じゃありません。

より良い社会を目指す企業、個人に投資することが最終的に自分のためになります。

 

ぼくたちがなにを応援するか、受け取った情報をどんなカタチで周囲に発信するのか。

 

ひとつひとつしっかり選んでいれば、世の中はもっと豊かになると思います。

 

 

説明口調ばかりになってしまって読みにくかったかもしれませんが、最後まで読んでくださってありがとうございました。